長​い​廊​下 [further away]

from happyender girl by ex. happyender girl

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lyrics

 顔を埋めて、いかないで、って言えないまま日々が過ぎ、耳鳴りと胎児のように蹲って届かなさを思う。届くことなんて永劫にないし、それはとても尊いことだとも。
 違う世界のいきもの。例えるならば二次元と三次元、此岸と彼岸、とにかく違う。異なるロジックで作られた、二人が同じ空間にあるなんて可笑しいなって思う。
 だけど、街を見下ろせる展望台に立ち、闇に滲む月と街明かりを即席で写し撮ったこと、や真夜中の強い風、君の紅い瞳、交わした言葉、笑える話、全部思い出すのは幻想?
 顔を埋めて、いかないで、って言えないまま日が遠く、埋まらないままで腐ってゆくばかり。落とした約束とそれからのことを数えている。忘れても忘れられなくなるように。
 違う色の瞳を覗き、消えたらどうなるのかって訊いたら多分答えてくれた。歪なロジックで作られた、二人が同じ空間にあったなんて。
 街を見下ろせる展望台に立つ。雑居ビル、冬、地下、いろんな場所。思い出すのは、そんなとこ。朝焼けと去りゆく、残像に振り返り、君はいない。いつかいない。全部思い出すのは幻想か?
 今もまだ君はそこで制服のまま待っていて、息を切らせて会いに行けば何かが変わるのか?
 部屋のドアから伸びる長い廊下は。
 二次元と三次元、此岸と彼岸。
 今、もはや廊下はひどく長い。

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from happyender girl, released January 28, 2023

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